労務派遣暫定規定

第一章 総則
第一条      労務派遣の規範となり、労働者の合法的な権益を守り、労働関係の安定調和を保つため、『中華人民共和国労働契約法』(以下『労働契約法』)、『中華人民共和国労働契約法実施条例』(以下『労働契約法実施条例』)等法律、行政法規に基づき本規定を制定する。

第二条         労務派遣会社が労務派遣業務に携わる場合及び企業が労務派遣を使用する場合、本規定を適用する。
法律に基づき設立した会計事務所、弁護士事務所等の組織、基金会及び非営利単位等組織が被派遣労働者を使用する際も、本規定に従う。

第二章 派遣範囲と比率
第三条      企業は臨時性、補助性、代替性の職位に限り、被派遣労働者を使用できる。
臨時性職位とは、存続期間が6ヶ月を超えない職位、補助性職位とは、主要業務をサポートする非主要業務、代替性職位とは、研修、休暇などの理由で一定期間正社員が不在の場合、他の社員が代替できる職位を指す。
企業が派遣労働者を補助性職位で使用する場合、従業員代表大会または全体従業員で協議検討し、提案及び意見を提出、工会労働組合)あるいは、従業員代表と協議決定し、企業内において公示しなければならない。

第四条      企業は労務派遣の人数を厳格に抑制しなければならず、使用する被派遣労働者の数は全体労働者の10%を超えてはならない。
上記でいう全体労働者とは、労働契約を締結した者と、被派遣労働者の合計を指す。
労務派遣比率の算出に該当する企業とは、労働契約法労働契約実施条例に基づき、労働者と労働契約を締結することができる企業を指す。

第三章 労働契約労務派遣協議の締結と履行
第五条      労務派遣会社は法に基づき、被派遣労働者との2年以上の固定期限労働契約を書面にて締結しなければならない。

第六条      労務派遣会社は法に基づき、被派遣労働者と試用期間を約定できる。労務派遣会社が同一被派遣労働者と約定できる試用期間は一回のみとする。

第七条      労務派遣協議には以下の内容を記載しなければならない。
(一)派遣先企業においての職務名と職務性質
(ニ)勤務先
(三)派遣人数と派遣期間
(四)同一職務同一賃金の原則に基づいた労働報酬と支給方法
(五)社会保険費の金額と支給方法
(六)勤務時間と休息休暇についての事項
(七)被派遣労働者の労災、生育あるいは傷病期間中における待遇
(八)労働安全衛生及び研修事項
(九)経済補償金等の費用
(十)労務派遣契約期限
(十一)労務派遣服務費用の支給方法と基準
(十二)労務派遣契約に違反した場合の責任
(十三)法律、法規が規定する労務派遣契約に含めるべきその他事項

第八条      労務派遣会社が被派遣労働者に対して負うべき義務は以下のとおりである。
(一)労働契約法第八条に規定する事項、守るべき規定制度及び労務派遣契約の内容を事実どおり被派遣労働者に告知する。
(ニ)研修制度を設け、被派遣労働者の職務への知識、安全教育研修を実施する。
(三)国家規定や労務派遣契約の約定に基づき、被派遣労働者の労働報酬や関連する待遇を提供する。
(四)国家規定及び労務派遣契約の約定に基づき、法に従い被派遣労働者の社会保険料の支払い、社会保険に関連する手続を行う。
(五)企業に対し被派遣労働者に労働保護、労働安全衛生条件を提供するよう促し、監督する。
(六)労働契約の解除若しくは終了証明を発行する。
(七)被派遣労働者と企業との問題処理に協力する。
(八)法律、法規が定めるその他事項。

第九条      企業は労働契約法第六十二条の規定に従い、被派遣労働者に対し、職務に関連する福利待遇を提供し、被派遣労働者を差別してはならない。

第十条      被派遣労働者が勤務先で労災事故にあった場合、労務派遣会社が労災申請をし、企業は労災認定調査に協力しなければならない。労務派遣会社は労災保険責任を負うが、雇用企業と補償方法について約定してもよい。
派遣社員法律に基づき職業病診断、鑑定を申請した場合、企業は責任を持って職業病の診断、鑑定をしなければならない。企業は職業病診断、鑑定時に必要な労働者職業歴、職業危険物接触歴、作業場所の職業病危害要素測定結果などの正確な資料を提供しなければならず、労務派遣会社は労務派遣従業員のその他の必要資料を提供しなければならない。

第十一条   労務派遣会社行政許可有効期限の未延長あるいは、『労務派遣経営許可証』が取り消された場合、既に被派遣労働者と締結している労働契約は期限満了まで履行される。双方が協議の上合意した場合は、労働契約を解除できる。

第十二条   下記状況に当てはまる場合、企業は被派遣労働者を労務派遣会社に差し戻すことができる。
(一)企業が労働契約法第四十条第三項、第四十一条に定める状況の場合。
(二)企業が法に基づき破産宣告、営業許可証の抹消、閉鎖を命ぜられた場合、または中途解散あるいは経営を継続しないことを決定した場合。
(三)労務派遣協議期間が満了した場合。
また、被派遣労働者が差し戻された後、未就業の期間に対し、労務派遣会社は最低賃金を下回らない額の報酬を毎月支払わなければならない。

第十三条   被派遣労働者が労働契約法第四十二条に定める状況にある場合、企業は派遣期限が満了する前に、本規定第十二条(一)の理由で被派遣労働者を労務派遣会社へ差し戻ししてはならない。派遣期限が満了した場合、相応の状況が消失するまで差し戻しをしてはならない。

第四章 労働契約の解除と終了
第十四条   被派遣労働者は30日より前に労務派遣会社に書面にて通知することにより、労働契約を解除できる。被派遣労働者が試用期間にある場合、3日前に労務派遣会社に通知することにより、労働契約を解除できる。労務派遣会社は被派遣労働者が労働契約解除を通知した状況を直ちに派遣先企業に伝えなければならない。

第十五条   被派遣労働者が本規定第十二条の規定により企業から差し戻され、労務派遣会社が新たに別の企業へ派遣する際、労働契約条件を維持あるいは引き上げたにも関わらず、被派遣労働者が同意しない場合、労務派遣会社は労働契約を解除できる。
被派遣労働者が本規定第十二条の規定により企業から差し戻され、労務派遣会社が新たに別の企業へ派遣する際、労働契約条件を引き下げ、それに被派遣労働者が同意しない場合、労務派遣会社は労働契約を解除してはならない。ただし、被派遣労働者が労働契約解除を申し出た場合はこの限りでなない。

第十六条   労務派遣会社が法に基づき破産宣告、営業許可証の抹消、閉鎖を命ぜられた場合、または中途解散あるいは経営を継続しないことを決定した場合、労働契約は終了となる。企業は労務派遣会社と協議し適切に被派遣労働者を処遇しなければならない。

第十七条   労務派遣会社が労働契約法第四十六条あるいは本規定第十五条、第十六条に定める状況により、被派遣労働者との労働契約を解除あるいは終了する場合、法に従い経済補償金を被派遣労働者に支払わなければならない。

第五章 地区を超えた労務派遣社会保険
第十八条   労務派遣会社が地区を超えて労働者を派遣する場合、勤務地で被派遣労働者の社会保険に加入し、勤務地の規定により社会保険料を納付しなければならない。被派遣労働者は国家規定に従い社会保険待遇を享受できる。

第十九条   労務派遣会社が勤務地に支部を設立している場合、支部により社会保険加入、納付手続を行う。
勤務地に支部がない場合は、企業が代わりに被派遣従業員の社会保険加入、納付手続を行う。

第六章 法律責任
第二十条   労務派遣会社、企業が労働契約法、労働契約法実施条例の労務派遣関連規定に違反した場合、労働契約法第九十二条に従う。

第二十一条 労務派遣会社が本規定に違反し被派遣労働者との労働契約を解除、終了させた場合、労働契約法第四十八条、第八十七条に従う。

第二十二条 企業が本規定第三条第三項の規定に違反した場合、人力資源社会保障行政部門により改善命令、警告がなされる。被派遣労働者に損害を与えた場合、損害賠償責任を負う。

第二十三条 労務派遣会社が本規定第六条に違反した場合、労働契約法第八十三条の規定に従う。

第二十四条 企業が本規定に違反し被派遣労働者を差し戻した場合、労働契約法第九十二条第二項の規定に従う。

第七章 附則
第二十五条 外国企業常駐代表機構、外国金融機構在中代表機構等が被派遣労働者を使用する場合、また船員企業が労務派遣の形態で国際遠洋海員を使用する場合、臨時性、補助性、代替性職務や労務派遣比率の制限を受けない。

第二十六条 企業が労働者を海外勤務、若しくは家庭、個人に労働を提供する場合は、本規定でいう労務派遣には属さない。

第二十七条 企業が請負、業務委託などの名義で労務派遣形態で労働者を使用している場合、本規定に従い処理する。

第二十八条 本規定施行前の被派遣労働者の数が、全従業員の10%を超えている場合、調整案を制定しなければならず、本規定の施行後2年以内に規定の比率まで下げなければならない。ただし、『〈中華人民共和国労働契約法〉修正決定』公布前に締結した労働契約で、労務派遣契約期限満了期が本規定施行後2年後の場合、契約満了まで続けることができる。
企業が制定した調整案は当地の人力資源社会保障行政部門に届け出なければならない。
企業は本規定施行前の被派遣労働者の数が規定の比率に下がるまでは、新たに被派遣労働者を使用してはならない。

第二十九条 本規定は2014年3月1日より施行される。

 

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