労働監査は中国語では“労働監察”と言い、国務院の労働保障監察条例(2004年12月1日施行)に基づき、地方政府ごとに実施規定が設けられ、法規に則った労働管理の実施状況が監査されます。
●労働保障監査条例で規定されている一般企業に対する監査内容は下記;
・就業規則等の整備状況
労働契約締結状況
・児童雇用禁止規定遵守状況
・女性労働者、未成年労働者保護状況
労働時間および休息時間の遵守状況
・労働報酬および最低賃金の遵守状況
社会保険納付状況
・その他法律法規に規定された労働保障監査事項

●運用実態:最近の上海市における巡回監査では下記資料の提出、監査が実施されています。
労働契約一覧(所定様式記入。労務派遣契約者人数等記載要)
②総社員数の2割程度の労働契約書コピー
賃金一覧(工資表)
社会保険納付明細 *人事代理(労務派遣会社の社会保険代納サービス)利用の場合は取り寄せ要。
外国人就業証原本及びコピー
⑥営業許可証等法人資料
*監査は予告なく入り、数日以内の指定資料提出が求められます。

●処罰
違反が摘発された場合は60労働日以内の改善完了(特殊な場合は行政部門の許可を得て30日延長可)。
関連法規に従った罰則規定の実施。違反が軽微で改善が実施された場合には処分取り消し。

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労働保障監察条例では労働監査は、企業が労働者を使用している地域(用工所在地)の労働保障行政部門が管轄するとされています。
労務派遣労働者使用制限が強化されていますが、分公司等で労務派遣契約を直接締結していない場合(企業の総公司と労務派遣会社の総公司間の契約等の場合)も実際に労働者を使用している分公司の状況を報告すべきというのが行政の見解です。
各地で施行されている“労務派遣労働者使用調整プラン届出規定”(労務派遣労働者比率の10%までの低減計画の届け出に関する規定)も、労務派遣契約の締結法人単位ではなく、実使用法人単位における労務派遣労働者の比率が10%を超える場合は調整を要するとの行政指導です。労働監査時には留意点です。

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上海市では外国人就労証原本の閲覧、コピーの提出が要請されています。昨年施行された出入国管理法の遵守状況が監査されているものと思われます。

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巡回監査以外に、残業時間の法定超過、残業手当不支給等、残業に関わる内部告発による監査、指導が増加しています。労働保障監察条例では、如何なる組織・個人も労働保障法規違反の行為に対して行政への告発権があり、告発者の機密が保障されています。告発により摘発された違反が重大であった場合には褒賞が与えられます。また、告発阻止も処罰対象とされています。不定時労働時間制、総合労働時間制の認可取得等の施策を検討すべき企業もあります。

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