2018年8月31日、《中華人民共和国個人所得税法》修正が決定され、2019年1月1日より施行されることになりました。これに先駆け、2018年10月1日より基礎控除額の引上げが実施されることも確定しました。

1.納税者区分
〔居民個人〕中国国内に住所を有するか、一納税年度に累計183日以上滞在した個人。
〔非居民個人〕中国国内に住所を有さない、または居住しておらず一納税年度の中国国内滞在が累計183日
未満の個人。
納税年度:1月1日~12月31日

2.課税対象所得
・居民個人:中国国内、国外所得の総額。非居民個人:中国国内所得。

3.所得区分
①給与・賃金所得 ②労務報酬所得 ③著作所得 ④特許権使用費所得 ⑤経営所得 ⑥利息、配当所得
⑦財産賃貸所得 ⑧財産移転所得 ⑨突発所得

4.計算期間
居民個人は所得区分①~④を総合所得とし、一納税年度で所得税を計算する。非居民個人は月次または所得発生時個別に所得税を計算する。その他所得は個別計算規定に従う。

5.総合所得税
3~45%の累進税率。(*2018年税率表は次項に掲載)

6.総合所得の課税対象額の計算

基礎控除額】居民個人:一納税年度60,000元/非居民個人:1か月5,000元。
労務報酬、特許権使用費所得は所得額の20%を控除後課税対象額とする。
著作所得は20%控除後の70%を課税対象額とする。
【特別控除項目】子女教育、継続教育、大病医療費、住宅貸付利息・家賃、老人介護等の支出
*具体的な規定は未確定。
【国外所得】国外納税した納税額が中国個人所得税法に基づく課税額を下回る納税額部分は中国国内納税
から控除可能。

7.控除納税人の義務
控除納税人は月次または支給発生時に予定控除・予定納税しなくてはならない。清算が必要な場合は翌年の3月1日から6月30日の期間に清算手続きを実施する。予定控除・予定納税方法は国務院税務主管部門が制定する。

8.施行
2019年1月1日施行。
2018年10月1日から12月31日まで、納税人の給与、賃金所得は先行して月次所得から5,000元を基礎控除とし、新税率表に従って納税する。

等級 月次所得額(単位:元) 税率 速算控除額(元)
1 0-3,000 3% 0
2 3,000.01-12,000 10% 210
3 12,000.01-25,000 20% 1,410
4 25,000.01-35,000 25% 2,660
5 35,000.01-55,000 30% 4,410
6 55,000.01-80,000 35% 7,160
7 80,000.01以上 45% 15,160

 

NAVI    月次給与の所得税申告は毎月1日から15日が申請受付期間です。税務局では10月1日~15日の期間に申告された給与は9月分給与として扱われ、現行の基礎控除額ならびに税率が適用されます。9月分の給与であっても、支給日が10月で、税務申告が11月の場合、新税率表が適用されます。従業員が節税対策の為に賃金支給日の調整を希望するケースが出ていますが、通常、賃金支給日は労働契約や就業規則に定められており、安易な支給日変更は、給与支給遅延ととられますので、留意が必要です。

NAVI 総合所得が年次課税に修正されることから、賞与特別税率が廃止されるとの報道も流れていますが、税務専門家の視点からは、賞与に関わる所得税は月次分割徴収となる可能性が高いと言われています。

NAVI 2019年1月1日からは労働報酬を手取り賃金で約定(締結)している場合も、個人の特別控除項目に該当する費用支出に対する税金控除を受ける権利は優先されると考えられます。手取り賃金契約は額面賃金契約に改定しなくては、新税制への対応が困難になると考えられます。

 

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