労働契約法施行後、“辞められるリスク”に代わって“辞めさせられないリスク”が企業の課題となっていますが、主動的離職の場合、同業他社への転職が多い中国では、企業機密の保護に留意する必要があります。
機密保護にかかわる従業員との契約は「競業制限(避止)協議」(競業協議)と「機密保持協議」(保密協議)があります。
● 「競業制限(競業避止)協議」(競業協議)
競合企業への転職、競合企業の起業等を制限する契約。約定期間内に就職をしない場合は経済補償金
(通常離職経済補償金とは異なる)の支給義務が発生する。労働者が違反した場合は違約金を請求できる。
対象  :高級管理人員、高級技術人員、その他守秘義務を負う人員に限る。
期限  :最長2年間
経済補償:一般的に労働者の労働契約解除あるいは終了前12ヶ月の平均給与の30%。
上記が労働契約履行地の最低賃金を下回る場合、労働契約履行地の最低賃金
(地域差異あり)
違約金 :協議により定める。
解除  :企業側には一方的な任意解除権がある。行使した場合、労働者には3ヶ月分の競業避止補償
請求権あり。
●「機密保持協議」(保密協議
就労先、職業を制限するものではないが、指定機密の漏洩を禁じる協議書。締結範囲、期間の制限、補償金等の規定はない。

NAVI
競業制限協議(競業避止協議)は対象となる特殊職種を中途採用する場合を除き、昇格により対象職種に就いた場合、離職時に締結する場合がほとんどであり、労働契約締結と同時に締結する事は少ないため、労働契約書にはあらかじめ競業制限協議差し入れの可能性と、拒否できない事を明記しておく必要があります。ただし、一旦締結した場合、理由の如何を問わず、本人が就職しない場合には経済補償金の支払い義務が発生しますので、留意を要します。
機密保持協議労働契約締結と同時に締結し、離職後の機密保持も含めて約定するのが一般的ですが、離職時にも、離職協議書等で離職後の機密保持を再度約定しておくことが安全策です。

>>中文ページ