<従業員が勾留された、会社は労働契約を即時解除できるのか?>
最近、何件かの顧客様で、従業員が賭博、麻薬あるいは喧嘩により公安機関に勾留され、人身の自由が制限されたために出社も会社に連絡もできず、無断欠勤になったという事例のコンサルティングがありました。問題を起こして勾留された社員なのだから、すぐに解雇だ!と思われる方もおられるでしょうが、実はそれほど単純な問題ではありません。今回はそんな事例をご紹介いたします。

【事例】
邵さんは2008年8 月26日上海の某社(コンビニチェーン企業)に就職し、店長を担当します。2012年8月26日から双方は無固定期限の労働契約を締結しました。
2013年6月20日から6月25日まで邵さんは公務執行妨害の罪で上海市公安楊浦分局に刑事拘留され、6月25日に釈放されました。
この会社の『従業員懲罰弁法』第十五条第19項規程には、従業員が公安機関に行政勾留、刑事拘留、労働教養された場合、大過失記録とし、労働契約を解除することもできる。とあります。
2013年7月31日、会社は邵さんが刑事勾留され、上述制度に違反したことを理由として、双方の労働契約を解除しました。その後双方の間で争議が発生し、邵さんは労働関係の回復を要求しました。

【一審法院の裁定】
雇用単位は自社の状況を鑑みて規則制度を制定し、正常な経営活動を保証する権利を有するが、雇用単位が制定する規則制度は一定限度を有していなければならず、法律規程に符合していなければならない。刑事拘留は刑事訴訟法中の強制性のある措置だが、刑事責任が追求されたわけではなく、邵さんに社会的危険性があることを証明するものでもない。司法機関が邵さんの当該行為に対する判断を下す前に、雇用単位が当該制度に基づいて双方の労働契約を解除することは公平の原則に反しており、それ故上海某社の労働契約を解除した行為は法律違反である。
又、上海某社は上海地区の大型コンビニチェーン企業であり、多くの店舗を展開している。
即ち上海某社が主張するように邵さんが担当していた店舗の店長業務は既に他人により担当されているとしても、上海某社は邵さんがその他の店舗で業務を行うよう手配することができ、邵さんの職位に唯一性はない。そのため双方の労働関係を回復するにあたり、客観的な障害は存在せず、2013年8月1日から労働関係を回復しなければならない。
上海某社はこの判決に納得せず、上訴しました。

【二審法院の裁定】
別途調査を行い、双方の労働契約約定事項に「乙(邵さん)が法により刑事責任を追及された場合、甲(上海某社)は本契約を解除できる」とあることが示された。
上海某社の規則制度は、従業員が公安機関に刑事拘留された場合、労働契約を解除できると規定している。又双方の労働契約では、法により刑事責任を追及された場合、上海某社が労働契約を解除することができると約定している。
『最高人民法院による労働争議案件に適用される法律の若干問題に関する解説(二)』第十六条規定に基づき、雇用単位が制定した内部規則制度と集団契約、あるいは労働契約約定事項内容に齟齬がある場合、労働者は契約で約定した内容を優先的に適用するように要求でき、人民法院はこれを支持する。
それ故、上海某社における規則制度と双方の労働契約約定事項に齟齬がある状況において、労働契約の約定内容が優先的に適用されなければならない。即ち、本案件の邵さんは法により刑事責任を追及された場合にのみ上海某社は契約の解除権を行使することができる。邵さんが刑事拘留されたことは法により刑事責任を追及されたわけではないため、会社の解除行為は違法であり、判決は一審を支持する。
(出典:労働法律ネット)

では、公安機関に勾留された従業員の労働契約を解除したい場合、どのような手続をとることができるのでしょうか?
興味がおありであれば、是非COCHIと連絡をお取りください。柔軟かつ合理的な対応方法を協議、提案させていただきます。

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