年の瀬が近づき、有給休暇に関する質問が弊社に多く寄せられています。貴社では従業員の当年度有給休暇の使用状況を把握していらっしゃるでしょうか?この年末のタイミングで、会社の有給休暇制度を再認識し、従業員の有給休暇の使用状況を把握して、適切な措置を採ることをお勧めしています。

まず、従業員の未使用有給休暇日数を確認する必要があります。2008年に『従業員年次有給休暇条例』(以下、『有給休暇条例』)が公布されましたが、多くの外資企業は、従業員が法定年次有給休暇を享受することを保障した上で、更に従業員に福利性の有給休暇を約定しています。つまり、従業員の未使用有給休暇日数を確認する際には、法定有給休暇福利有給休暇を明確に区分してそれぞれの残余日数を確認しなければなりません。

法定有給休暇福利有給休暇は異なる性質の休暇であり、同列に論じることはできません。確認しなければならない点は、会社の規則制度が未使用の福利有給休暇に対して法定有給休暇と同等の扱い或いは区別の扱いを与えているか否かです。

有給休暇の未使用部分の処理に関しては、以下の3つの処理方法があります。
①原則として当年度中のみ使用可とする
②未使用休暇は年末に会社が買い取り
③次年度に繰り越し
各社自社の状況に応じて異なる方法を選択しています。

当年度中のみ使用可とするという方法を採用する場合、会社は常に従業員の有給休暇使用状況を把握し、従業員に有給休暇の使用を促す必要があります。会社が従業員の有給休暇を手配できる権利を持つ(会社の指示により、日にちを指定して休暇を取得させる)ことをかんがみ、従業員に年次有給休暇使用手配の通知をすることができます。ただし、法定有給休暇の手配をする際の前提として、会社は生産、業務の具体的状況に基づくとともに従業員本人の希望も考慮に入れなければなりません。
年末に買い取る方法は、法律法規に最も忠実な方法です。法律法規に照らせば、年末に従業員の未使用法定有給休暇日数に対して、一日当たりの給与の300%を未使用法定有給休暇給与報酬として支給します。この300%には既に会社が支給する通常の給与が含まれているので、実際に支給しなければならないのは、プラス200%分ということになります。福利有給休暇はこの限りではないため、年末に未使用の場合は、自動的に失効するという条項を設定することも可能です。
次年度に繰り越すという方法は、業務多忙のために従業員に年次有給休暇を手配することができないものの、コストを考慮に入れて買い取りはできないという場合の選択肢です。この場合の留意点としては、法定有給休暇に限ること、繰り越しできるのは最長で1年であり、2年目の年末にも休暇を使用できなかった場合、会社は法に従って買い取らなければならないことです。また、法定有給休暇の繰り越しには従業員本人の同意が必要となります。有給休暇の繰り越しについては、次年度の業務への影響を考慮して、繰り越しできる日数の上限を定めることをご推奨しますが、上限を超える部分の日数については、やはり買い取りが必要です。
上述の3つの基本的方法以外に、一部の会社では有給休暇に有効期限を設け、期限を過ぎた場合無効とするという条項を制定しています。注意が必要なのは、『従業員年次有給休暇実施弁法』第10条規定によれば、“雇用企業は従業員の有給休暇を手配できる。
ただし、従業員本人の理由により、かつ書面により有給休暇を取得しない旨を提出した場合、雇用企業はその正常勤務期間の給与収入だけを支払うことができる。“とあります。この法律規定に基づけば、従業員が積極的に明示的方法(即ち書面形式)によって法定有給休暇を取得しないと表明した場合だけを、従業員が法定有給休暇の権利を放棄したという意思表示とみなすということです。

年末のこの機会に、会社の休暇規定を細かくチェックし、もし不十分な点や法に抵触する点などがある場合、会社規則制度の改訂を考慮することをおすすめします。有給休暇に関する規定がない場合は、制度に準じ明確にしておく必要があります。また、実際の運用と規則制度にズレがある場合、就業規則を会社規範のよりどころとするためにも、見直しを行う必要があります。会社の規定が明確であってはじめて、基準に基づく処理を行うことができます。
コチコンサルティングは、人事規程類の改訂を専門的にご支援しています。

お問い合わせは下記フォームからどうぞ
http://cochicon.com/contact/