当セミナーは、コチコンサルティングと、中国における日系企業のワークモティベーション診断で多くの実績をもつ際研コンサルタント(IEWRI)との共同で、シャングリラホテル蘇州において開催されました。
当日は江蘇省エリアの企業を中心に、合計78社105名という多数の方々にご参加いただき、会場がほぼ満席になる大盛況のセミナーとなりました。

 

第1部「日系製造業におけるワークモティベーションの実態」は、京都大学産官学連携本部特定助教の國分氏より講演いただきました。
ここでは、中国および東南アジアにおける日系企業、および日本における日本企業のモティベーション調査データの比較・考察を行い、中国人社員がモティベーションをもって働いてもらうために考慮すべきポイントをお伝えしました。
・中国人社員の動機付けでは、外発的要因としての処遇(給与など)満足がまだまだ高い影響力を持つ結果が出てはいるものの、社会的要因(上司や同僚との人間関係)、内発的要因(自律やトレーニングなど)も同様に影響力があり、これらをバランスよく高めていくことが効果的であること。
・現場ワーカーは残業が少なくなると手取り所得が減るため離職する声をよく聞くが、実は長時間残業は望んでいないこと。
・会社の方針理解が高まるとモティベーションも高まり、理解を伴わない方針遵守はモティベーションを下げてしまう。「やらされている」から「進んで行う」へ姿勢変化させるには、納得感を持たせるような中国人中間管理職による会社情報の浸透が重要。
など、グラフ・学者の調査結果等を用いてわかりやすく解説いただきました。

そして何より中国人について語る前に、まず日系企業が中国人人材にとって人気が低いこと、日本人は中国人・東南アジア人と比べてモティベーションが低いのに勤続が長く、滅私奉公的な「我慢して働く」価値観を中国人に押し付けてしまっているということ、日本人駐在員は業務遂行能力・リーダーシップ・部下育成能力などが中国人管理者に比べて低いと中国人人材から思われていること…など、日系企業・日本人駐在員自身にとって耳が痛い内容も納得感があり、自らがまず変わらなければいけないと感じた方も多かったのではないでしょうか。

 

第2部「モティベーションを刺激する人事制度、人事施策」は弊社総経理の畑より講演しました。
産業構造・社会環境の変化により、中国人社員の就労感・価値観は以前と比べ大きく変化しており、賃金動向の背景も踏まえ、企業として打つべき施策の例について、弊社が2017年秋~2018年1月に実施した「人事管理実態一斉調査」の結果を一部お見せしながら解説しました。
そして人事制度面では、キャリアパスの明示、製造業の人事制度改定事例をお見せして、「モティベーションに響く人事制度」の重要性を提言するとともに、中国における日系企業の人事制度実態(日本本社が作成した日本式制度の踏襲、中国人人事担当が戦略人事を経験していないことによる制度構築の頓挫など)の説明を行い、労務面では「やる気のある人が腐らない」規律正しい職場、健全な企業文化づくりのための労務基盤整備の必要性をお伝えしました。

 

第3部は無錫村田電子有限公司様、蘇州奥村閥門有限公司様の経営層をお招きし、モティベーション改革施策共有のパネルディスカッションを行いました。
1万人近くの従業員を抱える無錫村田電子様は、ワークモティベーション調査を継続して実施され、中国人副総経理が陣頭指揮を取られて年々会社として社風改善のための施策を打ってこられましたが、最も印象に残ったお言葉は、「社員は家族である」という一貫した信念です。1960年~1970年代の日本の製造業に見られた「みんなで一緒に頑張ろう!」という、いい意味での古き良き雰囲気・団結感・勢いが今同社にあるとのことです。その社風は一朝一夕ではなく長年かけて醸成されたようですが、副総経理によると、それが実現できた最大の要因は現場ワーカーにとって最も近い上司である「班長」の教育を徹底的に、継続的に実施したことでした。当セミナー第1部で「上司・同僚との人間関係」が社員のモティベーションに影響力があるという結果がありましたが、現場管理職の班長が部下ワーカーとの良好な人間関係を構築することの重要性が、このお話で裏付けされた形となりました。

 

もう1社のパネラー企業、蘇州奥村閥門様は、コチコンサルティングが人事制度・労務改善のご支援をさせていただいた企業様です。もともと分かれていた販売会社と工場の2法人を統合されたことにより数年続いてきた人事管理のひずみを是正し、現地法人を次のステージにステップアップするための人事労務基盤整備を、日本本社様のバックアップもあり実行された事例をお話しいただきました。現在、同社様の新人事制度導入は最終段階を迎えておりますが、経営層だけでなく、社内全部門が「公平であり、かつモティベーションを持てる制度」のスタートに期待されており、弊社も最後までしっかりとサポートをさせていただきたいと考えております。
 

セミナー後のアンケートでは、「社員意識調査の実施を検討したい」「人事制度の構築・改善を検討したい」等の支援ご要望も多数いただき、弊社としてフォローを実施しております。
今後も弊社は現地法人経営の重要課題である「人事労務」をキーにした、日系企業のお役に立てる情報提供を積極的に行って参ります。
 

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