【案件】
楊さんは2012年5月28日、B社に営業助理として入社し、最後の労働契約期限は2015年7月1日から2018年6月30日でした。
楊さんの祖母が2015年6月30日に上海市第六人民病院で診察を受け、楊さんは2015年7月3日に7月6日から24日の期間でB社に私用休暇を申請しました。休暇申請理由は「祖母の病気を看病するために休暇15日を申請」とあり、B社はこの休暇申請を受理します。その後楊さんは7月6日から24日まで休暇を取得します。ところが、楊さんは実際、7月16日から20日まで海外旅行に行きました。B社は7月27日に重大な規則違反を理由として楊さんに解雇通知書を発行します。会社を欺いて私用休暇を取得したことが重大な規則違反であるため、楊さんの労働契約を解除するという理由でした。
会社就業規則に、従業員に信義誠実の原則に違反する行為がある場合、B社は労働契約を解除することができる、とあり、従業員が理由を偽って休暇の申請をすることは信義誠実の原則に違反する行為であるとB社は主張しました。
2015年8月3日、楊さんは上海市徐汇区労働人事争議仲裁委員会に仲裁を申請し、B社に労働契約解除における補償金と賠償金を7月給与とあわせて38,628.31元を支払うように要求しました。
仲裁委員会は2015年9月14日に判決を下し、B社に判決が発効してから7日以内に楊さんに労働契約解除の賠償金33,110元を支払うよう命じました。
会社はこれを不服とし、法院に上訴しました。法院では一審、二審を経て、最終判決として、会社が規則制度に対する重大な違反を理由に従業員の労働契約を解除することは合法な解除であり、企業は経済補償金と賠償金を支払う必要がない、というものでした。理由は下記の通りです。

 

【判決】
上海一中院は審理を経て、雇用単位と労働者が労働契約を確立している期間中、労働者は労働規律と職業道徳を遵守しなければならないことを認める。
本案件において、楊さんは祖母が病気で介護のために休暇が必要として会社に休暇を申請し、楊さんが提出した診察記録、医療費領収書等の証拠から、楊さんが申請した休暇理由が真実であることを法院も確認した。
しかしながら、B社が休暇を承認した後、楊さんの陳述によれば、祖母の病状は5-6日後には良くなり、介護を必要としなくなった。この時点で楊さんが最初に休暇申請した事由は消失し、私用休暇を継続する前提条件がすでに存在しなくなっている。楊さんの旅行計画は早くから計画されていたが、楊さんはこの計画を事前に会社に告知しなかった。
労働者と雇用単位の忠誠義務、および労働者が遵守するべき職業道徳に基づけば、楊さんは私用休暇申請事由が消失した時点で速やかに休暇を切り上げ、会社に理由を説明するべきであった。
しかし、本案件において、楊さんは会社に状況を説明するどころか、この機会を利用して休暇期間中に海外旅行に出かけた。これは誠実信義に違反する行為に該当する。
B社の就業規則規定に基づけば、従業員に不誠実な行為がある場合B社は労働関係を解除することができる。この規定に基づき、B社が双方の労働契約を解除した行為は明らかに不当ではない。
上述内容を総合し、判決を下す:上訴を棄却し、原判決を維持する。