□案例
 2014年12月,某社は会計就業許可証を持たない張さんを財務助理の職位に就け、張さんに『財務助理職位説明書』を送達しました。この職位説明書には「財務助理職位の人員は任職後1年以内に会計就業許可証を取得しなければならず、取得できない場合「業務の任に堪えない」とみなし、会社は労働契約を解除できる」と明確に記載されており、張さんはこの職位説明書を確認し署名しました。2015年上半期、会社は張さんに対して成績考査を行い、最終考査等級をC等、不合格としました。会社は張さんの専門技術レベルを向上させるため、張さんに会計就業許可証の研修過程を受講するよう要求しましたが、12月に張さんは会社に対して、試験を受けておらず、会計就業許可証を取得していないことを告げました。2016年1月12日,会社は張さんに『労働契約解除通知書』を送達し、通知書に「張さんは業務の任に絶えず、研修を経ても依然として会計就業許可証を取得しなかった。そのため、張さんは業務の任に堪えることができないとみなし、張さんの労働契約解除を決定した」と記載しました。
 張さんは会社の労働契約解除に納得せず、会社登記地区の労働人事争議仲裁委員会に争議を提出し、会社に労働契約違法解除の賠償金を支払うよう要求しました。

□裁判結果
 本案件は仲裁、法院一審、二審の審理を経て、最終法院で、会社からの労働契約解除は違法であり、会社は張さんに対して労働契約違法解除の賠償金を支払わなければならない、という判決が下されました。

□弁護士コメント
 『労働契約法』第4条規定に従い、会社が規則制度において制定する、「業務の任に堪えない」とする考査基準の内容は合法でなければならず、また、この基準を労働者に送達し、考査の具体的内容を認識させなければなりません。そうして初めて労働者に対して法的拘束力が生じることになります。本案件において、会社は成績考査基準を張さんに伝えたことはありませんでした。そのため、考査により与えた評定C等は一度目に張さんが「業務に任に堪えない」ことを証明したものとはなりません。
会社は確かな証拠により、労働者が一度目に「業務の任に堪えない」ことを証明した場合、『労働契約法』第40条第2款の規定に従い、会社は一方的に会社からの解除権を行使するとができません。労働者との間の労働契約を解除する場合、更に労働者に対して研修や職位の調整を行い、もう一度考査を行い、それでも労働者が「業務の任に堪えない」ことが証明されてはじめて、労働契約を解除することができます。

出典:《労働報》