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愚直でも良いので“お客様の為に”ということをやり続けたい

     
この度は中国法人としての海外旅行(アウトバウンド)取り扱い免許取得おめでとうございます。弊社は貴社のアウトバウンドライセンス取得の為の事業再編に関わる人事労務PJに関わらせて頂き、ご苦労を身近に拝見してきましたので、先日のお披露目会は、他人事とは言えないほど嬉しかったです。 conv
 
矢田部
(以下敬称略)
ありがとうございます。コチの社員の皆様には事業再編の際には大変お世話になりました。2017年8月にアウトバウンドライセンス取得を目指して、自貿区に新会社を設立しましたが、領事館からの請願支援等も得て、2年がかりで昨年11月にライセンスが下りました。JTBとしては、北京上海広州の各現地法人がアウトバウンドライセンスを取得し、中国全土で海外旅行を取り扱えることになったと言えます。2020年に名実ともにアジアNO.1の旅行会社を目指すという会社中期目標に向かって邁進中です。
 
中国ではC-TRIPなどが急成長していますが、中国でのJTBブランド浸透に努めていきたいと思っています。中国系の旅行社には価格では太刀打ちが難しいですが、JTBは愚直でも良いので“お客様の為に”ということをやり続けたいと思っています。価格だけではなく、旅行の安心、安全を重視しています。事故や病気も少なくありませんし、保険なども実際的に必要なものをお勧めしています。例えば、中国の旅行保険では賠償責任保険などは入っていないのですが、旅行者がホテルの設備を壊してしまって賠償が高額になったケース等もありますので、適格なアドバイスを心掛けています。
 
hata-20161123-1 弊社も昨年の社員旅行では、とてもお世話になりました。熊本大地震の直後に九州旅行を予定していたのですが、地震発生直後からJTBのご担当者様からこまめに、親身に…現地情報、アドバイスを頂き、感動しました。
   
矢田部 日本の旅行会社としての長い歴史の中で学んできたことがあります。JTBが上海に事務所を設立してすぐに高知学芸高校の事故対応をさせて頂いたりしたことなどもJTBのDNAになっているかと思います。常に多くのお客様を海外にお送りしているので、海外の出来事とお客様の安全・安心には敏感になるよう教育されています。
   

物(もの)消費から事(こと)消費に向かう中国の旅行者に日本のすばらしさを伝えたい。

     
貴社自身も社員旅行からお戻りになったばかりですよね
   
矢田部 今朝、会津旅行から戻ったばかりです。新会社が立ち上がって決算3期で、2年続けてようやく予算達成できるようになったので、社員モチベーションを上げ、業績拡大の足がかりにと思い、会津に社員旅行に行ってきました。
   
事業再編時は大変でしたが、今は、オフィスに伺っても活気がありますね。
   
矢田部 数字を行かせるってことは大切ですよね。上海に赴任して、最初の5年は苦労しました。最初の勤務は万博に合わせて作ったイベント会社でしたが、万博後は日中関係の影響などで業績が悪化し、5年目にアウトバウンドライセンス取得の為に旅行事業を含めた事業大再編を実施し、今の体制を構築し…苦労しましたが、やっと苦労が実りつつあります。
旅行の宴会前に短時間でしたが、業績について説明し“勝って兜の緒を締めよ”なんて話ました。営業担当者を除けば、社内全体では業績ってあまり知らないですからね。
   
会津旅行は如何でしたか?
   
矢田部 中国の旅行者が“物(もの)消費”から“事(こと)消費”に変わったと言われますが、社員旅行の様子を見ても、たった一年で変わりましたね。
   
会津では、赤べこの絵付けをしたり、浴衣でしたが本格的な着付けをしてもらったりという“事(こと)”を体験しましたが、絵付けも着付けも、実際にやってみると、皆とても楽しんでいました。
中国の人は、人と違うことをやりたいという意向が強いので、そういう意図を組むことが重要だと感じました。コストもかかるのですが、我々日本人も楽しかったです
   
akabeko
   
買い物も、郡山のイオンに寄ったのですが、買い物も“目的買い”に変わっていますね。
うちの社員でも「刺身醤油が買いたい」「良いお塩を買いたい」とか言っていました。“ブランドものであれば良い”とか、1~2年前に流行った“酵素食品買い”とか、盲目的な流行りより、各自の目的をもった“目的買い”になっていることを実感しました。
   
中国系旅行社が規模で先んじていますが、ホテル・旅館の仕入れ等ではJTBの力はありますし、宿泊施設がタイトになっていると言われていますが、全国的にみるとまだまだキャパは余っているので、一極集中ではなく、地方へツアーを分散化させるなどして、FIT(Foreign Independent Tour=個人海外旅行)化する中国の方々の新しいニーズを満たす、旅行を提供すると同時に、日本の自治体や地元経済が潤う事にも貢献したいと思います。
   

経営者としての思いを貫く

     
社員旅行の目的地に福島を選ばれたのは?
   
矢田部 今回福島に行った理由は、福島の風評被害を打破したいという思いからです。福島県は必死に活動されていますし、総領事館でも福島の集いを後押ししたりしていますが、福島支援に関しては、ライセンスが取れたこの時期にこそ大切かと思って、社員旅行先に決めました。
   
実際に、妊娠予備軍の女性などは、家族の反対があり、直近になって5人ほどドタキャンが出ましたが、実際行ってみて、皆安全だということを理解しましたし、プログラムを工夫し、社員はとても喜んでいました。社員旅行で福島にお金を落とすということで多少とも福島に貢献できたかとも思います。
   
会津では、福島県の観光部長とか会津若松市長が訪ねて来られました。中国から職場旅行でこの地域へ来たのは、2社目とまだまだ少ない様です。
   
帰路、大内宿という鬼怒川から日光に抜けるところにある昔の宿場町へ寄ったのですが、ちょうど雪がちらちら降るなか、古い町並みの軒下でお団子食べたりして、本当に風情があって、皆大喜びでした。
   
経営者として、思いを貫くって、本当に素晴らしいことですね。
   
yukata
     

仕事の合間に趣味の旅行でリフレッシュ

     
ところでJTBにご就職されたのは、もともと旅行がお好きとか、海外志向とかですか?
   
矢田部 前回登場された丸紅の平澤さんと大学同期ですが、平澤さんは体育会ラグビー部、私は同好会ラグビー部で、私は春と秋はラグビーをやっていましたが、夏はYMCAのボランティアリーダーをやっていまして、子供たちをキャンプに連れて行ったりしていて、人を喜ばせる楽しみみたいな流れでJTBに入りました。
   
中国とのご縁は?
   
矢田部 実は、JTBに入るまで海外旅行に行ったことは無かったのです。入社初年度の初めての海外旅行が中国への添乗で、それが中国との出会いでした。3年間鹿児島支店にいて、その後1年間はサンフランシスコに研修に行って、帰国してから十数年はIBMの担当営業でした。その間にふとしたことから気に入って頂いたお客様の依頼で毎年1回中国旅行に同行して、中国の地方政府の要人とお目にかからせて頂いたりしました。
添乗でも随分中国には来ていましたが、まさか中国駐在になるとは思っていませんでした。
   
  中国駐在7年にして、この年齢になり、ようやく仕事も落ち着いたので、ようやくこの1~2年、仕事以外の視野も広げたいという余裕が出て、中国国内等をあちこち旅行しています。中国の省でまだ行っていないのは山西省、湖南省、寧夏自治区の3省ですね。先日は、広州でのイベントの間があったので、広州からカンボジアなで足を延ばして来ました。まだまだ行きたいところはあります。シルクルードの歴史も見たいですしね。
   
日系旅行社初のライセンス取得という大きな仕事をしながら、プライベートも充実されていて素晴らしいですね。
   
矢田部 趣味の旅行が息抜きというか、切り替えになったと思います。
アウトバウンドライセンス取得を契機に、訪日旅行者4000万人受け入れ目標達成の為にも、SIT(Special Interest Tour)、事(こと)消費をさらにしっかり売って行きたいと思います。
   
~インタビュアーより~
爆買いが終焉に向かっているという報道もありますが、買い物から旅行の本質を楽しむ様式に変化していっているのであり、旅行業界はまだまだこれからだという気がしました。日本と中国の架け橋として、中国の地から両国を応援している姿に力をもらいました。弊社もJTBさんに社員旅行をお願いしていますが、そのサービス品質には感銘を受けています。同じ中国の地で日本的サービスを浸透していけるように見習って行きたいと思います。

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profile JTB上海佳途 総経理

矢田部 拓彦 さん

1983年慶応義塾大学文学部卒業、1983年日本交通公社(現JTB)入社。鹿児島支店、サンフランシスコ支店、グループ会社執行役員などを経て、2010年錦江集団とのイベント合弁会社の総経理として上海に赴任、2014年より現職。
     
hata-interview インタビュアー:コチコンサルティング総経理 畑伴子(経歴紹介