[案例]
李さんは2013年9月10日に上海の公告会社A社で勤務を開始し、制作総監の職務を担当しました。双方は競業制限協議を締結し、李さんがA社との労働契約を解除、あるいは終了した後、2年間は自営、あるいはA社と競争関係にある企業に入社してはならないとの約定を交わし、李さんが競業制限の義務を履行した場合、A社は離職前月給の40%を経済補償金として支払い、李さんが競業制限に違反した場合は違約金として50万元を支払うとしました。2015年3月4日双方協議を経て労働契約を解除し、李さんは離職後3ヶ月間競業制限義務を履行しましたが、A社は一度も経済補償金を支払いませんでした。その後李さんが7月20日にA社と競争関係にある別の公告会社B社に入社したところ、2015年9月にA社は労働争議仲裁委員会に仲裁を申請し、李さんに対する競業制限違約金50万元の支払を要求しました。

[裁判結果]
労働争議仲裁委員会の審理結果:原告A社は自身の原因により三ヶ月の競業制限経済補償を支払わなかったため、『最高人民法院労働争議案件適用に関する法律の問題解説(四)』第八条の規定に基づき、李さんは双方が締結した競業制限協議の解除を提出し、かつ、A社に履行期間の経済補償金支払を要求することができる。ただし、李さんがこの解除権を行使するまでは、競業制限の約定は双方に対して依然として拘束力を有する。そのため、李さんがA社と競争関係にある新会社で勤務することは競業制限義務に違反する行為であり、李さんは違約金を支払わなければならないが、双方が約定した違約金基準は高額すぎると言え、これを人民元5万元に調整する。

[弁護士評論]
まず、労働争議仲裁委員会が引用した司法解釈規定の通り、雇用企業による原因で三ヶ月以上の競業制限経済補償金の未払いがあった場合、労働者は双方の競業制限約定を解除する権利を有する。
次に、もし李さんがB社に入社する前に、A社に対して告知、あるいは労働仲裁を通して競業制限協議の解除を要求していれば、B社への入社競業制限義務の違反とはみなされず、違約金を支払う必要もなかった。

出典:《劳动报》