従業員の兼職を理由に労働契約を解除することは違法か?
【COCHI NAVI】兼職に関する労働契約約定事項は会社規則制度規定と一致していなければなりません。また会社は従業員の兼職を発見した後、当該行為が会社の業務任務に重大な影響を与えた具体的な事実、あるいは従業員に期限を定めて改善を要求しなければならず、決していきなり計画も無く労働契約を解除してはいけません。

【案件】
于さんは2008年に上海某オフィスオートメーション販売会社に入社し、2014年4月に会社と無固定期限労働契約を締結しました。この時同時に「于さんが他社と兼職し、会社の業務任務の完成に重大な影響を与えた場合、あるいは会社が是正を要求しても改善しない場合、会社は労働契約を解除することができ、かついかなる経済補償も行わない」ことを約定しました。
  同年12月22日、会社は于さんが同時に別会社法人の執行理事の職務に就いていることを発見し、すぐ于さんに調査を受け入れるよう通知し、別会社の関連工商登記情報を変更し、兼職行為に従事することがないように要求しました。12月24日に会社は于さんに対して「労働契約解除通知」を発効し、当該通知書には「于さんが在職期間中に無断で別会社法人で兼職したため、会社「賞罰条例」規程に基づき、会社は于さんとの間の労働契約を解除する」と記載しました。
于さんは2015年1月に労働争議仲裁を申請し、会社に違法労働契約解除の賠償金を支払うよう要求しました。

【裁判結果】
  本案件は労働仲裁、法院一審及び二審の審理を経て、判決はすべて会社からの労働契約解除が違法であり、会社が于さんに対して違法労働契約解除の賠償金を払うようにというものでした。 

【弁護士解説】 上海市華誠法律事務所李花平弁護士
問題1:会社が兼職を理由に労働契約を解除する場合、どんな前提条件を満たしていなければならないか?
  《労働契約法》第39条第4甲規定によれば、労働者は同時にその他雇用単位と労働契約を確立し、本単位の業務任務に重大な影響を与える、あるいは雇用単位が是正を要求しても改善しない場合、雇用単位は労働者との労働契約を解除できる、とあります。満たすべき前提条件として、雇用単位が挙証責任を負わなければなりません。于さんが理事を担当していた会社は、自社業務との関連性、競争関係が全く無く、欠勤等による本職業務への影響もありませんでした。会社は発見後3日目に于さんの契約を解除しており、改善を拒否したと言う結論を出すには期間が短すぎました。
挙証が困難であるため、雇用単位は未許可での兼職行為を「重大な規則違反」に含める会社もあります。規則制度が民主プロセスを経ている場合、労働契約解除の根拠とすることができます。

  问题2:兼職の処罰に関して、会社規則制度と労働契約約定事項が異なる場合、どちらを優先して適用されるか?
雇用単位の規則制度と労働契約約定事項が異なる場合、労働者は労働契約約定事項を優先して適用するよう選択することができます。《最高人民法院の労働争議案件の審理に関する法律若干問題の説明(二)》第16条規定には、雇用単位が制定した内部規則制度と集団契約、あるいは労働契約約定内容に齟齬がある場合、労働者は労働契約約定を優先して適用するように要求でき、人民法院はこれを支持する。労働者が労働契約約定事項の適用を選択し、会社が十分に挙証することができない場合、会社が労働契約の違法解除により賠償金を支払うようにとの判決には法的根拠がある。

労働報 原題<規則制度と契約約定に差異が有る場合の契約解除は何を参照するか>