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クリスマスを間近に控え、イルミネーションに彩られたシンガポールへ行ってきました。1泊2日の「弾丸ツアー」で、行きも帰りも機中泊でしたが、発見の多い充実した休日を過ごすことができました。

 

中華系のルーツを持っているアジアのメガロポリス、、、というカテゴリがあるとすれば、私たちの住む上海、あるいは香港・台北なども当てはまりますね。シンガポールも、他のいずれともまた異なる独特の魅力に満ちた街です。マリーナベイ、オーチャード、リトルインディア、チャイナタウン、アラブストリート、、、わずか数キロ歩くだけで、建築物のデザイン、暮らす人々の服装、レストランのサインやメニューがガラリと変わってしまいます。コンパクトな街中に特色ある文化を持った街並みと生活が詰め込まれている楽しさは、「ごった煮」ではなく「幕の内弁当」のような美しい配列も伴っていて、同じ国際都市でも他の都市にはなかなか真似できない特色でしょう。

 

ホテルマリーナベイ・サンズの屋上はとても見晴らしが良く、真っ青な海、、、と言いたいところですが、そこはさすがシンガポール、海上には船・船・船の大渋滞。でも豪華客船、貨物船、タンカー、の大型船パレードを眺めながらのランチもまあ悪くないものです。食後のコーヒーを飲んでいると、不意に店員がやってきて「午後の営業は終わりだからすぐに清算してね」と言います。サービスレベルの高いシンガポールなのに無粋だなあ、と少し気分悪く思いましたが、理由を尋ねると右手を水平に挙げ、少し丘の方を指差して「にっこり」。その先にはスコールを降らす雨雲がゆっくりとこちらに向かってきていました。会計を終えると同時にカフェのあるバルコニーは水浸し。翌日のランチも、シーフードレストランの外はびっくりする程の大雨で、道は洪水状態。でも2時間もすれば何事もなかったかのように晴れ、、、という熱帯らしい気候もまた、シンガポールを特色ある街に演出している重要な要素です。

 

シンガポールは、「グローバル・タレント・ハブ」戦略という国家人材戦略を掲げる、人材先進国でもあります。世界中の優秀な頭脳となる研究者・科学者・起業家(アントレプレナー・テクノプレナー)を効果的・効率良く集めるために、給与・研究費・補助金などの金銭面のサポートだけでなく、ビザ手続き簡素化や優先発行、税制優遇などあらゆる手段を活用し、頭脳人材ストックを囲い込んでいます。人種だけでなく、多様な領域で活躍する粒ぞろいの人材を揃えようとするダイナミックな取り組みに、素直な驚きと羨ましさを感じます。そんなことを思い出しつつ、密度高く多様性のある街並みや、一日に晴雨がまとめてやってくる気候は、シンガポーリアンの柔軟な気質やスピード感ある思考法に、少なからず影響を与えているのだろうなと感じながら、上海への帰途に着きました。人々の気質が街の特色を作るのか、はたまた、街の特色が人々の気質を性格付けるのか不明ですが、おそらく街と人々はお互いに影響を与え合いながら変化成長を続けていく関係なのでしょう。

 

で、帰って来た月曜日の朝方、数日ぶりに見る上海の街は、日々高層ビルが幾つも「生え」、地下鉄が根のように「延び」ていく、世界有数の「成長の街」であることを改めて実感させます。シンガポールにも負けず特徴的な私たちの住む街は、おそらくきっと、一人一人が社会や街の急成長に負けないように力強く成長を志向するパワフルな人々が住む街であり、無目的な停滞はリスクと考えているエネルギー溢れる人々が集まる街です。「ごった煮」どころか「ヤミ鍋」レベルの混沌した国際都市ですが、そんな中でも明るく事業とキャリアの将来を照らしていけるようなダイナミックな人事ソリューションを創造することで、この街の成長に永く深く関わっていければ幸せだなあと感じた、シンガポールの帰り道でした。

13edited by 伊奈 悟